日時:10月16日(月)19:00~
場所:八王寺店研修室
講師:ツムラMR
内容:皮膚症状への漢方 ~乾燥・痒み、冷え・しもやけ~

皮膚疾患のベースには血虚があることが多い。ゆえに、補血剤の基本薬である四物湯(71)が含まれる方剤が用いられることになる。血は栄養物質を運び、修復能力を高めるわけだ。老人性皮膚掻痒症のファーストチョイスといわれる当帰飲子(86)、これは四物湯に加え、止痒薬、そして補気薬である黄耆等からなり、分泌物や炎症を伴わないケースで使用する。

炎症があるケースでは、清熱剤である黄連解毒湯(15)と四物湯の合方剤である温清飲(57)を用いる。

分泌物が多く、かゆみの強い場合。このケースでは消風散(22)がよい。夏季に向かって増悪するものは適。

その他、補血ベースではないケースとして、膿のあるもの(急性期のニキビなど)では十味敗毒湯(6)、腎虚による皮膚の乾燥やかゆみに牛車腎気丸(107)などが紹介された。

しもやけには当帰四逆加呉茱萸生姜湯(38)が有名だ。しもやけに限らず、クーラー病や冷えると痛む頭痛などにも効果がある。これだけでは効果不足ならさらに附子を加味することも。この長い方剤名をどこで切って読むか。読める人はある程度、この方剤が理解できていると思われる。