「配合法則」→「基本8処方」→「派生処方」と理解していけば、方剤の成り立ちや目的がわかる。

“漢方で実際に治療に用いるのは、個々の生薬ではなく方剤である。(中略)この場合、生薬は無原則に集められているのではなく、一定の配合法則にしたがって方剤に構成される”

桑本崇秀『健保適用エキス剤による漢方診療ハンドブック』創元社  P. 46-47

ならば、ぜひこの配合法則を知っておきたい。その組み合わせがあるから、その効果を示す。構造式や薬理作用から医薬品の効果を考える薬剤師の思考にピッタリではないか。

『漢方診療ハンドブック』には15個の配合法則が紹介されている。それらのいくつかを参考にしつつ、覚えておくと便利な配合法則を紹介する。

【守りの配合法則】

1)生姜+大棗 → 副作用防止、作用緩和 (例:小柴胡湯、四君子湯、桂枝湯)

2)生姜+半夏 → 半夏の副作用を中和させる (例:二陳湯、半夏瀉心湯、半夏厚朴湯)

* 生姜が乾姜(生姜を蒸したもので温作用が加わる)になる場合もある

【麻黄の配合法則】

1)麻黄+桂枝 → 発汗 (例:葛根湯、小青竜湯、麻黄湯)

2)麻黄+石膏 → 止汗 (例:麻杏甘石湯、越婢加朮湯)

3)麻黄+桂枝+石膏 ⇒ 発汗

4)麻黄+薏苡仁 → 鎮痛、利尿 (例:薏苡仁湯、麻杏薏甘湯)

5)麻黄+杏仁 → 鎮咳・平喘 (例:麻黄湯)

【その他の配合法則】

1)柴胡+黄芩→ 裏熱証で胸脇苦満に (例:小柴胡湯、柴胡桂枝乾姜湯)

2)竜骨+牡蛎 → 裏虚証で神経症状のある場合に鎮静の目的で (例:柴胡加竜骨牡蛎湯、桂枝加竜骨牡蛎湯)

3)荊芥+防風 → 皮膚病を治すには欠くことのできない組み合わせ (例:当帰飲子、荊芥連翹湯)

4)当帰+川芎 → 裏虚証で貧血ないし血液循環不全のある場合に (例:四物湯、当帰芍薬散)

5)芍薬+甘草 → 痛みや筋肉のけいれんに (例:芍薬甘草湯)