四君子湯→帰脾湯→加味帰脾湯
脾気虚→心脾両虚→心脾両虚+肝熱
ベースや成り立ちで証がわかる

【基本処方:四君子湯(詳細は四君子湯とその派生処方 その1を参照)】
四君子湯は補気剤の基本処方。胃腸を整えて気を補う、補気健脾の効果がある。

 No.75(四君子湯):人参、白朮、茯苓、甘草、生姜、大棗

適応:脾気虚

主薬はもちろん人参。これは補気剤にはすべて入っている。白朮が脾を強くし(ここは蒼朮ではダメ、蒼朮は利水)、茯苓が脾の水をさばき、甘草が諸薬を調和する。これら4つの生薬が君子のようにすばらしいから「四君子湯」というわけだ。ちなみに、「生姜+大棗」は副作用防止と作用緩和のためで、本処方を含め、多くの方剤に含まれている。

【四君子湯の派生処方】

 No.65(帰脾湯):人参、白朮、茯苓、甘草、生姜、大棗、黄耆、酸棗仁、竜眼、遠志、当帰、木香

適応:心脾両虚

四君子湯に補気の黄耆、安心(鎮静)の酸棗仁・竜眼・遠志、血をめぐらせる当帰、気をめぐらせる木香を加えると帰脾湯になる。

四君子湯の脾気虚に、加えた生薬の心血虚に用いる。具体的には疲れやすい、顔色が悪い、食欲不振、軟便などの脾気虚と物忘れ、精神不安、不眠、浅い眠り、夢をよくみるなどの心血虚が適応となる。

 No.137(加味帰脾湯):人参、白朮、茯苓、甘草、生姜、大棗、黄耆、酸棗仁、竜眼、遠志、当帰、木香、柴胡、山梔子

適応:心脾両虚、肝鬱化熱

帰脾湯に柴胡、山梔子を加えると加味帰脾湯になる。柴胡は胸脇苦満、寒熱往来そして気のうっ滞に効果がある肝への案内人。そして山梔子はのぼせや胸苦しさに効果がある。

臨床では精神不安がある場合に汎用されている。証としては、帰脾湯を使うような症状、つまり心脾両虚で、のぼせやイライラなどが強い場合に適している。肝の症状のみで脾の症状がない場合は加味逍遥散などを選択する。

【投薬時の注意点】

No.65(帰脾湯)、No.137(加味帰脾湯):

手足のほてりやのぼせなどの陰虚の症状には用いない。また、高熱時(外因の発熱)は休薬する(熱が下がりにくくなる)。