日時:平成30年2月20日(火)19:00~
場所:八王寺店研修室
講師:ツムラMR
内容:漢方の便秘薬

大黄+芒硝の組み合わせを有する漢方薬を承気湯類という。承気とは、気を身に受け入れ巡りを良くし、消化管の機能を回復し、便通を正常化することを意味している。

まずは有名な大黄甘草湯。OTCのタケダ漢方便秘薬や大正漢方便秘薬もこの方剤。瀉下作用のある大黄に、その大黄の過度な薬効を緩和するために甘草が組み合わされている。西洋薬のセンノシド(大黄の主成分)と同じく、長期連用で慣れが生じることがある。腹部膨満感のない患者に用いたい。

【大黄甘草湯(84)=大黄+甘草】

これに便を柔らかくする芒硝を加えると調胃承気湯となる。残便感や腹部膨満感がある場合、大黄に対する慣れが生じて効きにくくなったケースでよい。

【調胃承気湯(74)=大黄+芒硝+甘草】

大黄、芒硝を残し、甘草の代わりに、気を巡らす(理気)厚朴と枳実を加えると、大承気湯となる。実証タイプで腹部膨満感が強く、便秘するタイプに用いる。下剤+モサプリドのような腸の動きを良くする薬、といったイメージだ(あくまでも実証タイプにおいて)。

【大承気湯(133)=大黄+芒硝+厚朴+枳実】

以上は中間証~実証に用いる便秘薬であり、一般的には高齢者には向いていない。

高齢者にはまず麻子仁丸だろう。この方剤は『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』において、“高齢者に有用性が示唆されるわが国の医療用漢方製剤”として紹介されている(慢性便秘、排便困難全般)。高齢者は腸の中も水分が足りていない。そこで生薬自体が油性成分である麻子仁、杏仁、これらの生薬を配合する麻子仁丸で腸の中を潤してあげるといいわけだ。便が出にくい、出ても兎の糞のようにコロコロしていて、すっきりしない。そういう高齢者の便秘に向いている。また、透析患者にもよく使われている。

【麻子仁丸(126)=麻子仁+杏仁+大黄+芍薬+厚朴+枳実】

さらに皮膚乾燥まで見られるようなら、潤腸湯を用いる。その名の通り、腸を潤す薬だ。

【潤腸湯(51)=麻子仁+杏仁+桃仁+地黄+当帰+大黄+甘草+黄芩+厚朴+枳実】