日時:令和1年7月1日(月)19:00~
場所:八王寺店研修室
講師:ツムラMR
内容:利水薬、水毒、五苓散など
水毒(「水」の分布異常)によって、浮腫や冷えの増悪、頭痛、めまい、耳鳴り、嘔吐、下痢といった様々な症状が引き起こされる。
浮腫を伴う症候に使用する代表方剤は五苓散(No.17)で構成生薬は、ソウジュツ、タクシャ、ブクリョウ、チョレイの4つの利水薬に気を巡らせるケイヒを加えたもの(ブクリョウ+ケイヒは気逆に有効)。その他としては、水太りや変形性膝関節症でよく用いられる防已黄耆湯(No.20)も代表的な方剤である。
水毒のウエイトの大きい症状の一つにめまいがある。Firstとしては苓桂朮甘湯(No.39)がよく用いられる。水毒+気逆に用い、構成生薬もソウジュツ、ブクリョウ、ケイヒ、カンゾウ(調和のため)と五苓散によく似ている。天気や気圧の変動で増悪しやすい、舌に歯型が残るようなら五苓散を。消化器症状を伴うようなら半夏白朮天麻湯(No.37)、冷えがあるなら真武湯(No.32)、血虚を伴うなら当帰芍薬散(No.23)を用いる。
保険面において、五苓散の合方剤である柴苓湯(No.114)や茵蔯五苓散(No.117)と五苓散の併用は査定を受ける可能性がある。同様の理由で、補腎剤なら八味地黄丸(No.7)と牛車腎気丸(No.107)の併用も避けておきたい。